アントロポゾフィー思想に基づく言語造形・ことばの芸術・声・ことば・朗読・ボイストレーニング・合気道 otonaumono

京田辺「声とことばとからだ塾」おとなうもの

前田恭仁子(くにこ) profile
公立・私立の中学・高等学校で英語教師を13年、家庭教師・塾講師歴3年以上。
ある進学校での「機械的暗記」を強いる経験を受けて、芸術的なアプローチを探り始める。進学率より、その子の力と希望を引き出すメンタル・ケア、コーチングに力を入れた教科指導を実践。「ラジオ英会話講師」遠山顕氏に大きく影響受け、「演劇」に対する思いを強くする。「TOSS中学英語元代表」田上善浩氏、その他多数より学ぶ。コロンビア大学Teachers College TESOLコース単位修得満期終了。

その後、2011年の東日本大震災を機に、英語教師を辞し、諏訪耕志氏より言語造形(ことばの芸術/日本語を味わうこと)の教えを受ける。
日本語に秘められた力や、日本語の希少価値を、多くの人に味わってもらいたい、という願いをもち、2021年「声とことばとからだ塾」を立ち上げる。
日本語について
宇宙を表す子音と、感情表現としての母音が組み合わさってできた日本語という「ことば」の不思議さ。考えれば考えるほど、素晴らしい叡知を含んでいます。
現代社会を生きるにあたって、当面必要とされる情報伝達としての日本語能力について申し上げますと、英語の成績の伸びない子の特長は、日本語運用能力にあります。
運用能力には、単に話す、だけではなく、もちろん書くことも含まれます。母国語を習得する際には、よく聞き、そののち、よく発話の機会を持つ期間が必要であり、その期間に推測、類推する力、想像する力を培っています。
母国語を習得する0~7歳の期間に、成長に不必要な情報(詰め込み、暗記、怒りや苦しさ・憎しみ・劣等感などの不要な感情、選択権)が与えられることにより、話を聴く態度が身につけられないでいると、運用能力が思うほどに伸びていきません。
英語から日本語訳をするにも、いろいろな段階がありますが、直訳日本語、文法日本語、書き言葉話し言葉としての日本語の違いを予測できないと、つまり、多くの段階の日本語に親しんでいないことは、中学生以降の訳出のための日本語につまづきがちとなります。伸びきっていない日本語能力のために、外国語習得が阻害されているように思います。
そういう意味で、母語の育ちうる環境の大切さを思います。
心穏やかな大人が側にいることが、子どもへ自由に「ことば」を発する機会を設けることになります。
安定した心へ「ことば」が入ること、これが一番、「ことば」の習得の近道です。
(動画「気質と子育て」をご覧ください。)
生まれつきのバイリンガルでない限り、母国語の上に、外国語が習得されていきます。
そして、さらに、日本語という点で言えば、芸術的に日本語を扱うという能力は、一般的な点数には表れない能力です。
けれども、この、日本語と言う言葉に秘められた力を体得していると、常に日本人の底力を胸に秘めていることになります。多くの外来語をカタカナで飲みこみ運用し、漢語・唐語・呉語を取り込みながら音読み・訓読みを発展させていった日本語は、他の言語にはない含みのある「ことば」と言えます。
ことばが宇宙を作っているとすると、日本人は、日本人の言葉でこの世界を見ている。それならば、もっと深く、そのよさを味わっていただければ、と願ってやみません。
このページで申し上げる言語芸術とは、人智学を提唱・実践したルドルフ・シュタイナー(1861~1925)の思想に基づく言語造形(言語の芸術活動)のことです。ドイツ語のSprachgestaltungを、言語造形と訳したところからこの語を使用しています。ことばの芸術、という方がわかりやすいかもしれません。
